セラピストのつぶやき

対話とは

昨日のブログでも似たようなことを書いたけれど、
私はこの1年半くらいの間で、
心の底からしみじみ感じてきたことがある。

それは、
人間関係に最も大切なのは、
「対話」「コミュニケーション」であるということ。

いや、そんなの当たり前だろ、
と思われるかもしれない。

でもその当たり前だと思う気持ちを一旦脇へおいて、

身近な人と本心から会話をしているか、
思ったことを逐一ちゃんと伝えているか、
お互いに感じる違和感を共有しあっているか、
お互いの違いを尊重して認識した上で話ができているか。

対話の意味をもう一度考え直し、
しっかりと向き合うことで、
人との関係性は大きく変化するということを体感してきた。

そしてそんなタイミングで読んだこの本。

友人がFBで紹介していたのを見て、数年前に買った本。
それをつい数日前、急に見つけたんだけれど、
一気に読んだ。
思った以上に面白く、感銘を受けた。

「暗闇から世界が変わる
 〜ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦〜」
 志村真介 著(講談社現代新書)

何年か前から話題になっていた、
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」

暗闇の中、
何人かのグループになって
その視覚が遮られた真っ暗闇の中を
視覚障害者の方のアテンドで歩いて体感していくというもの。

メディアで話題になっていたし、
友人が体験してとても感動していたので
気にはなっていた。

でも結局私は行っていない。
私自身は、セドナで初めてスウェットロッジに入ったとき、
その一点の光もない暗闇に、パニックを起こしたから。

真っ暗闇というのは普段体験できないというのもあって
私たちにとっては非日常の世界。
でも視覚障害者の方にとっては、それが日常である。

そんな障害を持つことの繊細な部分とか、
健常者にはわからない感覚的な部分とか、
この本にはとてもわかりやすく書いてある。

と同時に、この本を読むだけで
急に視野が広がり、
住んでいる世界が変わるような気がしている。

心に留めておきたいことだけ、
メモとして引用しておきます。

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対話とはなんであるのか。
互いの意見が違うことでもじっくり話し合い、意見を出し合うことで
次の策が見つかる。

違う文化で生きてきた人間がお互いを理解するのは
それほど簡単ではありません。
最初は違和感だらけで、分かり合えることなどないように思えるくらいです。
理解するために重要なのは、
それでもあえて
自分が感じている違和感を素直に表現すること
ではないでしょうか。
これをお互いが意識して行っていると、そのうちに変化が起こります。
相互理解が進んで、お互いに相手のことをよくわかるようになるのです。

立場を固定して考えることは、
それだけコミュニケーションの幅を狭めることです。

真の意味で信じることを覚えました。
それは「話し合うこと」そう、
「ダイアログ=対話」でしか得られないことを知ったのです。

誰でも「自分を変えたい」と考えることはあります。
でも日常生活を続けていく中では実際に変わることはなかなかできません。
やはりきっかけが必要なのです。
例えばそれは、新しいものや人と出会うこと、そして対話すること。
対話をきっかけに深く考えるようになり、
自分の持っていた考えを一度ニュートラルな状態に戻すことができます。
そこから新しい方向へと進みやすくなります。

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人はみんな全く違った環境の中で暮らしていて、
全く違った価値観を持った家庭で育った人同士が
友達になったり、
一緒に仕事をしたり、
家族になったりしていく。

そこでは
お互いの違いを知り、
お互いを尊重することが大事だということ、
そのためには対話が本当に大事だということ。

そして
この著者の最後の方の文章が
私の中でずっとこだましている。

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社会を海に例えるとすると、
以前の私は、そこに泳いでいる魚の中から
自分が好むものにしか注目していませんでした。
好むか否かの基準は、
その魚と関わることが自分にとって有益かどうかの一点です。

自分もまた、その海で生きている一員であるという意識がなかったし、
まわりとの関係は利害をモノサシにしていたのです。
これは海の中でうまく生きるためには最も効率的かもしれません。
しかし、長続きはしないかなりいびつな生き方です。

今の私は、海そのものを意識するようになっています。
自分が海の中の一員であることを強く意識するようになり、
その海が綺麗であるか、魚が住みやすい環境であるか、
よりよくするためには自分がどうしたらいいかを
考えられるようになったのです。

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私自身、趣味の分野で懸念材料となっていたことの答えが
ここにありました。
私は自分の好きなものしか見ていなかったし、
どこかで利害がチラチラしていたのを認識できた。

私はその全体の一部であり、構成要素の1つなわけだ。
であれば、全体を見た方がみんなのためになるのは間違いない。

本って、すごいなと思う。
自分の中のどこかに必ず足跡を残してくれる。
自分の中での気づきにつながることが多い。
だから、読書が好き。

違う考え方、自分とは違う分野の話を聞くと、
どんどん自分の世界が広がっていくし、
自分の視野も明らかに広くなっていく。

ということで私は、動画とかSNSより、
圧倒的に「本」に傾倒しております。

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