夏至を過ぎたということは
今日から少しずつ夜の時間が長くなっていく。
外が暗いと必然的に
自分の内側に向かう時間も同時に長くなる。
暗闇は、
静かな時間をもたらしてくれるし、
無になることを促してくれるし、
何よりも
暗闇があるからこそ光の大切さを感じることができる。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク
この存在は結構前から知っていたし、
これに関連する素敵な本も読んで
いつか行ってみたいなと思いつつも
私はずっと行けなかった。
理由は、一点の光もない暗闇で
パニックを起こした過去があるから。
11年ほど前、パニック障害になったよりも前から、
対人恐怖、
水恐怖、
閉所恐怖、
高所恐怖、
私にはいろんな恐怖という感覚がすでにあったんだけれど、
漆黒の暗闇が恐怖だと分かったのは
セドナで初めてスウェットロッジに入った時。、
ロッジの中に入って扉が閉められた瞬間、
なんの光もなくなった。
その瞬間からものすごい動悸と呼吸困難で
倒れそうになったことで認識した。
私は一点の光もない暗闇が怖い。。。
でもなぜか、
急に行ってみたくなった。
おそらく今、
自分の中のタブーをもっと解放したくなっているからだと思う。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク「ゆるめながら 五感をとぎすます 『五感』」
今、千駄ヶ谷の三井ガーデンホテルでやっているのを知って、
タイトルが「五感」だということにも
裸足で体験できるということにも興味を持って、
その情報に吸い込まれるように
急遽行ってきました
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漆黒の暗闇。
そこは目を使うことのない照度ゼロの空間。
躙(にじ)り口のような小さな戸口から新しい世界に入る。
肩書も年齢もないただの自分が、一歩、一歩丁寧に歩いていく。
まるで足の裏に目があるように 。
全身を耳にして、清らかな水のせせらぎを聴く。
触れるものすべてが新鮮な情報となり、
体の内に眠る五感がいきいきと巡りはじめる。
心と身体をととのえよう。
人間本来が持つ、内なる美が目覚めていく。
ここ神宮外苑で、豊かな自然に囲まれ、自分と対話する大切な時間を。
DIALOGUE JAPAN SOCIETY
代表理事 志村季世恵
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荷物を全部預けて
最初に入ったお部屋にはまだ灯りがついていた。
でも私はもうその時点で目を閉じた。
明るいところから暗くなって暗闇になるプロセスが
私のパニックの原因になるから。
でもやっぱり、
「これから灯りが消えます」
「では扉を閉めます」
そんな声が聞こえると、
どんどん動悸が激しくなって
冷や汗をかいて
呼吸が浅くなって体の血の気が引いて
苦しくなってくる。。。
やっぱり変わってない!
やっぱり参加するのやめたい!外に出たい!
いや、まだ大丈夫だ!
内側に意識を向けて落ち着け!
頭の中は、いろんなことをおしゃべりしていた。
私は案の定、パニックになりかけていた。。。
でもその時、
周りの人(全員で8名の参加だった)の声が響いてきた。
本当に真っ暗!
何も見えない!
すごい!
わー!光が全くない!
その声に意識を取られたからか、
少し呼吸ができるようになった。
大丈夫!そう自分に言い聞かせて
視覚障害の方のアテンドで次の部屋に入った。
そして次の私の難関は、閉所。
狭い空間に入ると、息苦しくて出たくなる。
そこでもまたすごい内側の恐怖がやってきた。
ここから出たい!怖い!もうやだ!
でもそのお部屋の下には
あるものが敷いてあってそれに意識を向け続けることにした。
そしたら、内側の楽しさに意識が向いて
また呼吸ができるようになった。
そしてこの後、3回目の試練がやってきた。
なぜかその会はトラブルがあって、
次に入るお部屋が明るかった。
暗闇の空間のはずなのに、明るいことがわかって、
スタッフの方が
ちょっと何かのミスがあると思うので
このままちょっと待っていてくださいと行って外に行ってしまった。
もしかしたら、
恐怖に慄いていた私の意識によって
電気をつけてしまったのかも???(笑)なんて思いつつも
いつまでこの狭い空間にいるのだろう?思うだけで
また呼吸が荒くなって苦しくなってきた。
その後スタッフの方が対応した後、
また暗闇に戻ったら
今度は次の部屋移動。
でもそこからは
落ち着きを取り戻すことができた。
その理由は、
そのお部屋は空間が広く感じたから、
近くで水のせせらぎ音がしていたから、
裸足で感じる地面の感覚が心地よかったから、
そして何よりも
周りの人たちと今の感覚を話しながら移動できたから。
だから、その後はパニックにならず、
落ち着いて、しかも楽しい時間を過ごすことができた。
ここにいた時間は90分ほど。
その間に自分が感じた感情や感覚がものすごくて
またきちんと整理できずにいるんだけれど、
でも私がここで感じた恐怖は
お母さんのお腹の中から出る時の感覚に違いないと思った。
暗闇は私にとって安心安全の場だった。
でもそこから外に出るときの息苦しさ、呼吸できない恐怖という体験が
暗闇とリンクして
暗闇と恐怖が結びついてしまった感じがしている。
でも最後の広い部屋で
いろんな感覚、視覚以外の五感(聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を
フルに使う経験をして、
私は何かを解放できた感じもしている。
生まれる瞬間は苦しかったけれど、
こんなふうに
体の感覚を繊細に感じ、
人と触れ合ってコニュニケーションを取りながら
私自身が満たされた時間を過ごしていく、
それが人生。
ただ、そのために生まれてきたんだ。
この体験をすることで、
物事をよりシンプルに考えられるようになる。
今ある体にもっと有難さを感じることができる。
人とのコミュニケーションの大切さが時間できる。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク「ゆるめながら 五感をとぎすます 『五感』」は
7月9日までやっているので、
興味ある方はぜひ行ってみてください。
もし行けなくても、
たまに目を閉じて、暗闇を感じる時間を持って、
視覚以外の感覚に研ぎ澄ませる時間を持ってみたら良いと思います。
今回アテンドしていただいた、視覚障害者のアッコさんの
癒しボイスと空間作りが素晴らしくて、
私はとても心地よく癒されて帰ってきました。
本当にありがとうございました
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